クライアントから仕事依頼が来る時の心構え

dav

私がフリーランスになって4年目に入り、お陰様で順調に成長しています。現在はストックフォト向けのコンテンツ作りに携わりながら、クライアントの依頼業務の対応と新規取引先の開拓に取り込んでいます。仕事内容はグラフィックデザイン、プロダクトデザイン、CGI、CGアニメーション、GUIデザインなど手掛けています。興味のある方はぜひポートフォリオサイト(Fokusone)にご覧になってください。クライアント向けの仕事実績について、秘密保持などの制約でHPに掲載しておらず、ストックフォト向けの内容はメインになっています。

過去三年間に様々なクライアントと出会い、企画力や提案力を磨き、先方の販促に貢献できるように努力してきました。その中の苦労や遠回りの経験も少なくありませんでした。それらの経験をまとめて、書いてみたいと思います。皆さんにご参考になれば幸いです。

■料金:格安価格ではなく、納得できる価格で

私の場合、ストックフォトサイトや、ポートフォリオサイトのCG作品を見て問い合わせてくるケースが多いです。クライアント側に予算が厳しいとの条件もありますが、提案力と品質を維持するために、格安価格で承りません。

まず「コスト=提案力+完成品質」を理解してもらうことが必要です。「提案力」は先方の業界市場についてのリサーチ及び今までの販促関連状況の把握に関係しており、それなりの時間コストがかかります。「完成品質」とは時間をかけて丁寧に取り込むことです。素早くイラストやデザインなどを完成させて腕を見せるのは良いですが、じっくり検討されないままあとになって漏れや、間違い、考え不十分なところが出る事もあり、最悪の場合に、クライアントからしっかり本気にやっていないのでは?との疑問が持ち始めると失格です。私の場合には、緊急依頼を除き、何回も依頼内容を詰めて検討し、デザイン案にブレや明確ではない部分などを取り除き、できる限り洗練された案でプレゼンに臨みます

フリーランスに伝えておきたいのは、サラリーマンと違い、生活と仕事を両立するコストは高い上、生活保障も比較できません。保険、税金だけ容赦なくかかってきます。安く仕事を承り、莫大な時間をかけてもペイにならず、ワーキングプアになるのです。さらに、モチベーション低下で提案品質・成果物品質の劣化とつながり、最後は自分のブランドの低下でクライアントが去っていきます。その悪い連鎖を切る必要です。

逆に高い費用を要求するのも要検討です。有名デザイナーと違い、成長途中の自分があくまで個人事業主で、多数従業員を抱えるデザイン会社やプロダクションエイジェンシーと比べ、設備や人員コストも違います。クライアントが納得してくれて、かつ自分が継続的に成長できる適切な料金設定が必要です。

■クライアントの本意:依頼案件の背景にあるものを分析する

クライアントから仕事依頼の打診があるときにうれしいことです。しかし、その依頼の背景に何かがあるか、うまく引き出すのが重要です。時にクライアントのほしいものは依頼内容ではなく、ほかにあるのです。

実際にあった事例2例を挙げます。一つ目はCGイラストが欲しいと先方からの連絡がありました。打ち合わせの際に“どこに使いますか?掲載形態はどの媒体でしょうか?”などいろいろ質問をしているうちに、先方がイラストだけではなく、製品カタログを作りたいとの話を引き出しました。クライアントがこっち側ができる内容を把握していないため、最小限の依頼内容で試しに来たわけです。その後カタログのレイアウトも含め、表紙カットと挿絵のCGイメージを作り、明確なコンセプトで提案に臨み、カタログ製作の依頼に変えてくれました。

もう一つの事例、先方からホームページに使うキャラクターのデザインをしてほしいとの依頼がありました。打ち合わせの際に感じたのは、キャラクターデザインではなく、ホームページの構成に悩みを抱えているようです。私がその場で指摘していなく、次回打ち合わせの時に、キャラクターデザイン案のほか、ホームページへの提案も加えました。結局その打ち合わせはほとんどホームページ案の検討になり、キャラクターデザインは保留です。キャラクターデザイン案は無駄のように思うかもしれませんが、先方が抱えている重要課題を解決され、信頼関係を築くことができたのです。

一枚CG依頼は単に絵の成果物で完結できますが、そのイラストでどこに使われるのか、どのような役割や訴求ポイントを果たすべきかなど潜在的なニーズを引き起こし、クライアントが抱えている課題を解決できるとデザイナーの役割を果たしたことです。信頼関係を構築できて、次の仕事も自然に入ってきます。

■番外篇:フリーランスデザイナーとして必要な技能

この三年間に痛感したのは、クライアントからの依頼は限られた分野ではなく、多方面に要求されます。そのおかげでグラフィックデザインのほか、3DCG及びUX方面にも活躍できました。特に3DCGによる製品モデルの構築からPR用アニメーションの製作まで一連のワークフローを構築できたのです。これからも多方面技能の連携をさらに強化していきたいと思います。

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